日曜日, 1月 06, 2008

男女平等の代価

2008年1月4日付けDN紙のDebatt欄に興味深い記事が載せられていた。日常生活における男女平等に関する新しい研究調査によると、男女平等が必ずしも男女(夫婦)関係の利益になってはいないというものだ。大多数のスウェーデン人が平等を評価し望んでいるにもかかわらず、その変化が驚くほどゆっくりなのは、一般の人々が平等という絵に描いた美しいヴィジョンを実現しようとすると、現実的には仕事と家庭生活のバランスを崩し、不満や葛藤、ストレスを引き起こし、結果的に男女関係に離婚の危機などの悪影響を与えているからだという。政策的に平等を推進している政治家や政策決定者が平等の理想を実現するためには、支払うべき代価を持つ平等の裏面に目を向けなければ、スウェーデン人の平等政策に対する信念を失う事になると警鐘を鳴らしている。

スウェーデンはWorld Economic ForumのGender Gap Report でも世界で最も平等が推進されている国として挙げられているが、家庭と子どもへの主な責任はまだ女性が負い、男性は権利のある両親休業の1/5しか取得していないのが現実。でもこれは男女平等の意味を否定するものではない。常に一歩先を行く実験を繰り返し、理想を追い求め続けているスウェーデンの生みの苦しみのように見える。
この調査研究の結果は、「平等の代価」 "Jämställdhetens pris" と題する本として出版される予定。

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