土曜日, 2月 23, 2013

在宅勤務の勧め


インターネットが普及し始めた90年代、これからは都市でも地方でもインターネットがあれば働く場所を選ばない時代が来ると言われていた。でもその後に起こったことは都市への益々の人口移動だった。ストックホルムの人口は増え続けており、学生たちはまず住む場所を見つけないと首都での勉強をあきらめざるをえないという状況らしい。

市内に入る車に交通税をかけたり、新しい地下鉄や道路など公共交通網の整備計画は発表されているが、車で通勤する人はまだまだ多く、雪で閉ざされる冬場の列車やバスの遅れは頻繁に起こる。

そんなことまでして職場に行かなければ仕事はできないのだろうか、と考えるのはわたしだけではないようで、例えばスウェーデンのマイクロソフト社が去年から在宅勤務の日 (Jobba hemma-dagen) を設けている。昨年は50社だったが、今年はその主旨に賛同した137社が参加し、2月6日に一斉に在宅勤務が行なわれた。(他の国でも行なわれているのかどうかは知らない。)

幸福度の高さには通勤時間の短さも関係しているというレポートがある。スウェーデンの住宅環境や労働環境は悪くないし合理的な考えを普及しやすい一歩先を行くスウェーデンで始めなくてどこで始められるかという期待も含めて、マイクロソフトのイニシアティヴにこれからも注目してゆきたい。

関連リンク
Jobba hemma-dagen Facebook ページ
SvD紙の記事


金曜日, 2月 15, 2013

姑のアップルパイ


日本ではケーキやパイなど焼いたこともなかった。近くのケーキ屋さんへ行けば美味しそうなケーキが簡単に買えたし、第一ケーキが焼けるようなオーブンは我が家の台所にはなかった。(スウェーデンの住宅やアパートにはオーブンレンジ、食器洗器、冷蔵庫は大概付いている。)

スウェーデンでは自宅に家族や友人が訪ねて来ると、まずはコーヒータイム。ちょっとしたクッキーやケーキなどのスイーツと一緒にスウェーデン流に言えばフィーカ (fika) することになるので、私もおもてなしの必要からケーキやパイを焼くという楽しみを学んだ。

それに義理の母(2004年没)が雑誌や新聞などのレシピの切り抜きを貼りつけた3冊のレシピ・ノートを残してくれた。今日はそのノートブックからアップルパイを焼いてみた。


基本材料はパイ生地用に、小麦粉 3dl 、バター100g、砂糖大さじ2、水大さじ4、
フィリングとして、Mandelmassa 100g (アーモンドペースト)、すっぱい小さめのりんご3-4個、砂糖 1dl、バター 100g、卵 2個。
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バターを溶かし小麦粉と砂糖を混ぜ、こねて作ったパイ生地(2枚のラップにはさんで平にしておく)を冷蔵庫でしばらく冷やしている間にりんごの皮を剥いてスライスする。


直径24センチぐらいのフォームにパイ生地をスプーンの裏を使って伸ばして敷く。パイ生地はトップの飾り用に少しとっておく。その上にMandelmassa (プラスティックにパックされたアーモンドペーストのかたまりが既成品としてこちらでは販売されている) をスライスする。


別に溶かしたバターと砂糖をよく混ぜ、スライスしたりんごを加える。卵白をホイップしたものを加え軽く混ぜて(混ぜ過ぎない)、先ほどmandelmassa をスライスして敷いたパイ底の上に広げる。



最後に取っておいたパイ生地でトップを飾り、溶き卵をはけでパイ生地の表面
に塗り、225度で30分焼く。


今日使った道具。全部イケアで手に入ります。1dl (100 ml) のメジャーカップが便利。赤いのはmatsked (msk) としてこちらのレシピによく出てくるが、大さじ1(よりやや多め)ぐらいの分量。


関連リンク




火曜日, 2月 12, 2013

スウェーデンのノーベル賞作家作品を翻訳して朗読してみた


スウェーデンのノーベル賞作家セルマ・ラーゲルレーヴ (Selma Lagerlöf 1858-1940) の著作権切れパブリックドメイン作品 "Löwensköldska ringen" を「レーヴェンシェルド将軍の指輪」として訳したのは2008年だった。その後今日まで手を付けずにお蔵入りになっていた。最近はアマゾンをはじめ多くのSelf Publishing サービスが出ているが校正も必要だし、どうしようかと思っている間に5年近く経過してしまった。

こんな地味な作品を読んでくれる人も多くはないだろうから、自分用のメモとしてネット上に残しておき、試みとしてその第1章を朗読したものをSoundCloudにアップロードしてみることにした。


「レーヴェンシェルド将軍の指輪」内容

スウェーデン国王カール十二世の時代、一兵士として国王に奉仕した農夫が、その忠誠心により国王から黄金の指輪を授与される。農夫は同時にレーヴェンシェルド将軍という名と農園を手に入れるが、その死後、埋葬された墓から指輪が盗まれる。

その指輪を手にしたものたちには、次から次へと不幸が訪れ、後世の家族にも因果な影響を与えてゆく。

指輪を捜し求めて出現する将軍の幽霊話、盗みの罪をきせられて処刑される若者と娘との愛情物語、犯人や指輪の在り処を探るミステリー小説の要素もあり、最後のどんでん返しまで、読み手をあきさせない面白いストーリー展開。

オリジナルの各章には題名はついていないが内容をまとめてみた。

第一章 時代背景
第二章 将軍の墓での出来事 (ここからが面白くなる)
第三章 カール12世国王
第四章 指輪を盗んだ農夫家族
第五章 牧師と将軍の息子
第六章 盗人捜索
第七章 裁判と処刑
第八章 30年後
第九章 数年後、レーヴェンシェルド家のメイド
第十章 将軍の幽霊
第十一章レーベンシェルド家の青年とメイド


関連リンク
SoundCloud (2008)