月曜日, 11月 29, 2010

スウェーデンのGDPが前年比+6.9%も伸びてるって、なんで?

スウェーデンのGDPが前年比で+6.9%も伸びてるとメディアが伝えているけど、どの産業で伸びてるのだろうか?

NyTeknikがこの20年ぐらいの間に世界的に注目を浴びたスウェーデン発の技術系企業Skype, Spotifyなど10社について、何人ぐらい国内で雇用を創出しているかを調べたら、10社全部で千名に満たなかったとレポートしている(記事中の表参照)。じゃ、どの産業がこの数字に貢献しているのかな?科学的な根拠なしに、生活実感だけで探ってみると。

イケアやH&Mなどのグローバル企業はアジアで店舗を増やしているようだし、自動車メーカーのボルボも中国企業に買収された。スウェーデンでの生産も開始されたからやはり、鍵はアジアなのかな。そう言えば、スウェーデン北部の鉱山の町キルナが、中国向けの輸出で儲かっているようだ。町の地下の鉱脈を掘りすぎて陥没のおそれがあるので、町ごと移転する最初の事業が始まったと今夕のTVが伝えている

我が家の周辺を見回しただけでも新築住宅がたくさん建築中だ。金利が低いのでマイホーム資金が借りやすくなっているのだろう。
今年は雪も早く積もって、スキーリゾートが賑わいそうだ。ツーリズムが夏も冬も観光客を呼び込んでいる。スウェーデンの若者がノルウェーで仕事を得、ノルウェーの年金生活者が物価の安いスウェーデンで買物をしている。

そう言えば産業大臣が、これからはデザイン、映画、ファッション、ハンディクラフトなどのクリアティブ産業だと言っているのをどこかで読んだ。売り込み先は、ギリシャやアイルランドやポルトガルなど経済問題を抱えるヨーロッパではなく、やはりアジア向けなのかな。とにかく、一時期ほど百人、千人単位の大規模な企業の雇用削減のニュースを聞かなくなった。ポニーテールにピアスの蔵相の手腕かな。

関連リンク
DI紙記事

日曜日, 11月 28, 2010

ナポリのごみをノルウェーとスウェーデンが買い取り交渉

イタリアのナポリで処理されず放置されているゴミを、ノルウェーとスウェーデンが一トン90ユーロで20万トン買取る交渉をしていると両国のメディアが伝えている

イタリアにとってはごみ処理問題の解決にもなるし、去年同様寒い冬になりそうな北欧の国々にとっては、焼却場から出る熱を家庭に供給するのに役立ち一挙両得ということらしい。

月曜日, 11月 22, 2010

電子書籍ベストセラーTop20

FUTUReBOOKが電子書籍のTop20ベストセラーリストを出している。Stieg Larssonが相変わらず上位に入っているが、ノルウェーのJo Nesboの2作品が入っているので資料を集めてみた。邦訳は2000年にノルウェーのベストセラー賞を受賞したThe Redbreastがコマドリの賭けとしてランダムハウス講談社文庫から出ている。





英語で読む北欧文学


関連リンク
北欧のミステリー文学関連サイト
ノルウェー
フィンランド
デンマーク
スウェーデン

金曜日, 11月 19, 2010

日本のガラパゴス現象について逆取材される

Voyager Japanのオンラインマガジン、"マガジン航"の記事の取材のため、スウェーデン作家協会のオンデマンド出版サービスDejavubok.sePublit.seを訪問した際、余談で日本のガラパゴスや自炊について説明したところ、その話題がPublitのブログに載せられました。出筆者の了解を得て、ここに日本語訳を紹介します。

電子書籍が少ない?自分で作ろう!

先週、PublitとDejavobok(オフィスを共有)に、日本とスウェーデンのジャーナリストで日本のオンラインマガジン航のために電子書籍やPOD(オンデマンド出版)分野を取材しているアカネエンストロムの訪問を受けた。
(ジャーナリストではないけどまあいいか。)

マガジン航は数年前から既にPublitに注目していた最初の外国のニュースサイトの一つで、我々としては特に嬉しいことだった。当時はオンデマンド出版に焦点を当て、今回は電子書籍に関する取材を受けた。
(以前私のブログで取り上げたのと混同しているのだろう。)

日本ではこの分野の発展が進んでいると聞いていたが実際どの程度進んでいるのか知られていない。アカネから日本のいわゆる「ガラパゴス現象」について話を聞けたのは非常に面白かった。日本の技術がしばしば特異に発展しすぎて、日本国内でのみ機能する状況を表現するときに使われる言葉だ。(チャールズ・ダーウィンがガラパゴスで発見した鳥類のように、他の地域では見られない特異な進化を遂げたもの)。シャープは、ゴーグルなしで3Dが見られる最新携帯端末をガラパゴスと命名している。
(電子書籍端末もガラパゴス。)

もっと面白いのは「自炊」と呼ばれるホームメイドを意味する日本の読書愛好家による動きだ。電子書籍としてまだ商業ベースに乗っていない古い印刷本がどんどんデジタル化されている。リサーチ会社Macromillが今年初めに行った調査によると、日本の300名のiPadユーザーの内、60名が本をスキャンしたことがあり、別の90名が興味を持っている。まだ疑ってる?大きな動きがある事を裏付けるいくつかの数字をあげてみよう。富士通グループは今年6月、前月より倍の両面スキャナーを売り上げたと報告している。アマゾンは6月に4月の倍のスキャナーを売り、電機販売チェーンヨドバシカメラでは、本を安くスキャンしてデジタル化するデモンストレーションを店で行っている。また、スキャンサービスを提供しているJissenでは、毎日千から五千冊の本をスキャンしているという。

これからは本をスキャンすることが益々簡単で、しかも早く出来るようになるということだ。東京大学の技術ラボ、石川小室研究室の研究者によるデモ参照。

関連リンク
マガジン航への記事
スウェーデン作家協会のオンデマンド出版サービス
ヨーテボリ・ブックフェアへのブックバス
北欧から見たヨーロッパ電子書籍事情
Publit Blog: Big in Japan

水曜日, 11月 10, 2010

ノルウェーの本屋さんによる文学賞2010候補作

ノルウェーの書籍販売業団体 Bokhandlerforeningen が毎年授与している文学賞(Bokhandlerprisen)の2010年候補作が発表されている。受賞者発表は11月30日 Litteraturhusetで行われる。



YouTubeビデオに出てくるオスロの本屋Librisは、ノルウェーに127店舗を持つ最大のブックストアーチェーンで、オスロ店(Google Map)は2009年にオープンした。

関連リンク
Bokhandlerforeningen Facebookのページ
スウェーデンの文学賞アウグスト賞2010年候補作
Sofi Oksanenのフィンランディア文学賞受賞作を読む

土曜日, 11月 06, 2010

今スウェーデンでメディアを騒がしている話題の本

11月4日に発売されたスウェーデン国王(Carl XVI Gustaf) についての新しい本 "Den Motvillige Monarken" (不本意な君主の意) がメディアで話題になっている。今まで知られなかった国王のプライベートな生活を紹介したということだが、メディアが特に女性問題などを取り上げて報道している所為で本への関心も高く、最初の2万冊が一日で完売したらしい。今増刷中。電子書籍も出ていて、販売元がこちらは売り切れなしとそのメリットを宣伝している。

著者のThomas Sjöberg氏は、ジャーナリスト作家で以前にはイケアの創業者Ingvar Kampradについての本も書いている。DN紙がネットTVで著者へのインタビュー動画を流している。インタビューの場所は 水上のボートハウスのようだが、著者の自宅だろうか?  話は逸れるが、モダンなインテリアのこういったボートハウスも水辺の多いスウェーデンでは人気がある。